2016年06月28日

仙台へ  (2)

仙台へ  (2)

午後からは 倒れて4か月余りの80代の男性に会いにいきました。

車いすで現れた方を見て、意識障害という範疇ではない感じがしました。

テーブルのある、広い場所をお借りして指談をさせていただきましたが

ご挨拶すると声も出るし頷きもできます。


左脳の脳梗塞だそうです。

文字、数字の認識がしにくいけれど 絵やイラストが理解できる方が多いそうです。

そうして絵を理解することが進むと文字も読めるようになると聞きました。


ご家族があいうえお表を手作りされたり、写真をたくさんコラージュして

日めくりのようにして普段はベッドの横においていると教えてもらいました。


この日はお孫さんも赤ちゃん(曾孫さんになります)を連れて遠方から来ていました。

目を合わせて嬉しそうに笑ったり 左手で赤ちゃんの両方の足に交互に触れたり。


声と頷きと手振りで ハイ、いいえ、まぁまぁをとてもテンポよく伝えられる方です。

それでも細かい内容をお話されるのは難しいのでこんなにわかっている方にも

指談でお話をさせていただくことは役に立つと、改めて教えていただけた時間でした。


私の読み取りとご自身の表出とが 一致しました。指談に大きな食い違いがないであろうことを

ご家族もご本人の思いとして感じられ、私にとっても同時に確認できるありがたい時間でした。


ベッドに戻って寝ていただいても視線が力強くて表情も豊かです。

沖縄のご出身でちょうど久高島の写真がipad miniに入っていたので

見ていただくと 動かせる左手の薬指で次の写真を出そうとされます。

倒れる前にはスマートフォンを使いこなしておられたそうです。


拘束のミトンがあったので チューブも何も付けていないのになぜ?と尋ねると

左手でおむつに触ろうとして汚してしまうから、とお嬢さんが言いました。


こんなにわかっている様子ならばナースコールを押すことのリハビリで

おしっこやうんちが出る感じがした時にトイレ介助をしてもらえるように

できるんじゃないかと思いました。


そのことをお伝えすると、ご本人が一瞬でお顔をくしゃくしゃにされました。

ご家族が倒れるまでもとてもきれい好きな方だったことも教えてくれました。


倒れてすぐはチューブで尿を出していたのを短期間に外せた方ですから

拘束されることなく回復のためのリハビリが続けられるといいなぁと

思いました。


好きな口癖の言葉は 「ダイヤモンドのようなきもち」だったそうです。

沖縄戦も経験され厳しい人生を歩まれた方なのでお元氣なときも朝から

祈りと感謝の日々だったそうです。

素敵な方に出会えて、午後もキラキラの時間になりました。



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