2016年05月28日
きみちゃん
ダウン症のきみちゃんは 声を出しますが
その声が意味のあるものとは 思われずにいました。
それは、どんな人にも言葉としての思いがあること、
言語以外にも対話ができることが まだ常識ではないからです。
広いベッドに寝た姿勢で指談でおしゃべりをしながら 聞いていくと
鋭いトーンの「いー」が いいよ、そうだよ、という声。
手を振り払う時は まぁいいかなぁという評価。
ここからきみちゃんのユニークな表現の単語辞書を作るように
意味を解きあかす心の耳と心の目で接していただくと
言語以外でも対話の可能性があることが 垣間見れて
素敵な出会いになりました。
きみちゃんは 身体を使って はいとイイエを伝えていました。
指談のやりとりでは 一区切りごとに 合っていますか?と
確認をさせていただきます。
横に並んで見ていたきみちゃんのお父さんが
「はいとイイエがわかるね!」と言いました。
これまでもきみちゃんは表現しているけれど
キャッチできると思われずに見過ごされていたのでしょう。
きみちゃんも 伝えていることが 概ね伝わっていると感じて
困っていなかったのだと思います。
でも、こんなに伝えられることが嬉しいとわかったから 伝わることの
手応えはきみちゃんが興奮してしまうほど大きいものだったのでしょう。
お父さんにしがみつくように 抱っこされて 大きな声を出し続け、
その後はすっかりリラックスして スヤスヤと眠っていました。
帰るときに ご挨拶したら 指談で びっくりして嬉しかったと
教えてくれて 急に泣きだすように しがみついたきみちゃん。
言葉で伝えきれないほどの 嬉しかった思いが なだれ込んできました。
とても素敵な、素敵な時間を ご一緒できて ありがたいです。
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