2018年03月28日

早送り



大阪は桜が満開になりました。

Yさんとのご縁が繋がって 児童デイサービスに伺いました。

お話ができる子もできない子も、小さな人も高校生もいるデイでした。



Hくんはベッドに寝ていました。

手は過敏なのか触れさせてくれません。

それで踵を借りてお話をしました。


自分の思いで「はい、いいえ」を表現ができる部分がないか、探します。

嫌、という感情を伝えられることも大切なのです。


「嫌だよ、違うよ」の時には目をぎゅっと閉じてみせました。

「いいよ、そうだよ」という時の声かけの表情と はっきり違いを伝えられることが

わかりました。


Tくんは よく動いていて 上の方を見てながら 何かくちゅくちゅと

独りでおしゃべりしていました。

お友だちの身体を両手でどんっと押すのが 氣になるお子さんです。


背中を触らせてもらうと 嫌ではなさそうなので

お臍の裏に手を置いて「へそ放射」というタッチをしました。

そして肩から ここが右肩、ここが右腕、ここに肘があって、ここは肘下、

手首があって、指があるね。親指、ぽん!ひとさし指、ぽん!と言いながら

指先まで を触ることをさせてもらいました。

Tくんは その後からは そっと触れてくれるようになりました。


様子を見ていると 独り言は 早送りしているような音に聞こえます。

こちらもセキセイインコのおしゃべりを真似て 速く高く話しかけると

Tくんが あれ?という表情をしました。


じゃんけんできるかな?と声をかけて「ぐーちょきぱーで」と

口ずさんでみると 手遊びの歌を Tくんは自分から歌い出しました。

よく響くはっきりとした歌声です。


歌を歌うように 伝えたら伝わるよ。

普段はおうむ返しが多いそうですが このあたりから

自分の言葉を出してきます。


「ひざまくらで(床に)寝て」と言われました。

一緒に床に寝てみたけれど 「これはひざまくらとは違うね」と私。

Tくんは 「北枕?」と尋ねるのでした。

「普通は北枕では寝ないものだけれどね、

『君子は南面す』というのは偉い人は北枕で寝るの。

起き上がると南に向くためには北枕で寝るのよ」と 説明。

Tくんが「君子って?」と聞いてきて

「王様や皇帝のことよ」と教えると 瞳がきらりとして

「王様はカレー食べるの?カレーは何色?」と聞いてくるのです。


私は先週美味しいインドの宮廷のお料理を東京・谷中で食べたばかりなので

カレーは黄色だけじゃなくて、緑のも白いのもあるね、と答えると

紫のカレーがあるの?オレンジのカレーは?と尋ね返すのでした。


Tくんのおしゃべりは速すぎて大人は 多分言葉として聞き取れないんだょ。

もっとゆっくり、歌を歌うように話してみてね。

















  


Posted by まきの じゅんこ at 09:58Comments(0)深い想い指でおしゃべりの会

2018年03月10日

なぎちゃん



お家に先生が訪問して学習しているお子さん、

ちょうどヘルパーさんに連れられて帰宅したところ。



お部屋のベッドでお話をしました。

学校の先生も一緒です。


「私は弱っちぃけど いつも楽しい時間を過ごしている」

弱っちぃのは熱が出たり入院することを言っていて

「でも、朝は自分で起きてるよ。ひとりで起きるの。

お兄ちゃんは起こされないと起きない。いっつもだよ」

と朝の風景を教えてくれます。


先生の抱っこはどう思うか聞いて欲しいとおっしゃって

尋ねると なぎちゃんは 先生に抱っこされるのが

心地よくて大好きって言います。


瞬きの練習をすると とてもじょうずです。


わかっていると感じて接してくださる方々に

見守られて素敵な笑顔を見せてくれました。


指でおしゃべりだけでなく、いろいろな部分が

思いを伝えています。  


Posted by まきの じゅんこ at 01:34Comments(0)白雪姫プロジェクト深い想い

2018年03月08日

きらきらした言葉


ももちゃんは 指でおしゃべりをするとき

しっかりと私を見てくれました。

この日はレースを使ったお袖が大好きなの、と

色じゃなくレース使いに感心があることを

おしゃべりしてくれました。


ここちゃんは 手遊びをするダウン症のお子さんで

右手をひらひらと動かして見ています。

思いを右手で伝えてるの?と聞くと 違うょと返事。

伝えているのは左手よっていうのでした。


よぉく動く右手の動きには意味がないそうで

はい!というとき左手の指先を揃えて曲げます。

地味なのに そこに思いと重なる動きがありました。


それで お名前はまゆみちゃんですか?と聞くと曲げません。

ここちゃんですか?と聞くと曲げます。

あらら、そんな風にお返事できていたのね。

大人の話もよく聞いていて にこにこです。

白雪姫プロジェクトのページには

というページがあります。

これまでに出会った何人ものダウン症のお子さんや働いている人たちの

素敵な優しさや思いやりにあふれた笑顔を思い出します。


なんだかここちゃんは年齢よりもずうっと大人っぽいけれど

もしかしてママよりも生まれ変わりの回数が多い?

と聞いた途端のここちゃん、なんとも言えない表情をして

ようやくわかったの?とでも言いたげです。
  


Posted by まきの じゅんこ at 21:03Comments(0)白雪姫プロジェクト深い想い

2018年03月07日

ぼくだけだよ。

講演会で私は 山元加津子さんのお話の後にいただいた時間に

誰もが思いがあり伝えたいし、伝えあえると

力になるし嬉しいということを

これまでに指談でおしゃべりさせていただいた

勇者さんや意識障害の方との時間のことを

お話しました。


宮古島の新聞ニ紙に掲載されました。


座位保持椅子の小さな人が 手足を動かし、声を出していて

指でおしゃべりを講演会でもさせてもらいたかったのですが

お母さんがお仕事に戻る時間がきてしまって残念でした。

その男の子はりんちゃんで 普段はうとうと寝てばかりのお子さんでした。

託児でも会場でもりんちゃんが寝ないことに

普段にりんちゃんをサポートしている方が驚いていました。


翌日 りんちゃんの通う園で またりんちゃんに会えました。

床の上で膝に抱っこされているりんちゃんは 大きな瞳の男の子。


いち、にの、さん!と声をかけて瞬きの練習をすると

タイミングよくパチリと わかりやすい瞬きができます。

園のスタッフさんから口ぐちに「すごいね〜りんちゃん!」と

声が上がりました。


お母さんに 瞬きや指でおしゃべりの様子の動画を見ていただくように

ママ仲間のラインに その動画を アップしてもらいました。


りんちゃん、この晩に38度という微妙な発熱。

それでお母さんは翌日のお仕事を休みにしたそうですが

りんちゃんは朝には平熱になっていました。

それで 午前中にりんちゃんのお家にお邪魔しました。

ぐっすり眠っていても 指談で 伝わる思いがあるのです。


りんちゃん 「僕だけだよ!」と自慢げに教えてくれました。

身体についている機械のことを そう表現しました。

ご家族で その機械が付いているのは 僕だけということじゃなくて

宮古島中にたった一人だけの機械なのですって。

お母さんに指談の様子をじかに見て欲しかったのでしょうね。


講演会と、園とご自宅でと 三日間も指談に関わってくれた

瞳の大きなりんちゃん。

お母さんも ラインで動画を見てから 瞬きでお返事するのが

なんとなくわかったそうです。



またおしゃべりして欲しいなぁ。  


Posted by まきの じゅんこ at 21:45Comments(0)白雪姫プロジェクト深い想い

2018年01月23日

指談・ことば教室 第9回

りょうくんと参加されたみなさんと 指談。

僕を練習台に使って、というりょうくん。


おかあさんと指談でも対話ができるようになって

安心感が とても大きくなったことも

教えてくれます。


望月さんが 作曲するから 詩を聞かせて、と言い

「ここから」という詩を指談で

伝えてくれました。

指談の練習台になることが 役に立っていること。

それが嬉しいというりょうくん、笑顔も出ました。


次回は第10回、4/22に山元加津子さんも一緒です。


  


Posted by まきの じゅんこ at 17:19Comments(0)深い想い指談の講習会

2018年01月23日

たかこちゃん



昨年の1月中旬に

まだ小さな人の命が お空に帰っていきました。

直接会ったのは 一昨年の夏。

小児病棟で 事故で意識障害の状態でした。


小さな小さな手は 私の指を握ることができず

かかとで指談をさせていただきました。


何度も「奇跡的に回復」してみせたのに

昨年の1月は 救急搬送されてそのまま お空に帰ってしまった、

たかこちゃん。

お空に帰る日に ふうっと私がたかこちゃんのことが氣になって

おかあさんにメールをしました。

そのタイミングが 救急搬送された時でした。

おかあさんとお父さんも指談で 対話ができていました。


一生懸命生きて生ききった素晴らしいいのち。


お別れを知らせてくれたのかもしれません。



ずうっと寒さが厳しかった大阪ですが

少し寒さが緩んだ日に 一周忌でした。

きっとお空から 微笑んで見守ってくれていますね。  


Posted by まきの じゅんこ at 16:51Comments(0)深い想い

2018年01月10日

長崎へ

ずうっと何年も 一緒に過ごした友だちが

急に 病氣がわかって ふた月ほどの闘病期間で

天に帰ってしまったとしたら 残された人には

それは どんなに大きな哀しみのできごとでしょう。


よきライバルでもあった Mさんが

急に亡くなった深い哀しみの中で

ずうっと一緒に過ごしていたのに

これからどう生きたらいいのか、

不安しかないと、指談で教えてもらいました。


亡くなった人は戻ってこないけれど

いつも そばに来てくれる存在へと

形を変えて新しいエネルギーになっているように

私には 思われてなりません。


自然の中に入ってみることや

美しい空間で 哀しみを癒して

残った者は 亡くなった方からの

いのちのバトンを 生ききることで

大きなひとつのいのちを共に生きていくのだと

そう感じ、そう信じています。




長崎へ。

大浦天主堂の光の中へ。

哀しみを 生きる力に変えられるように。


その旅にご一緒することになりました。

ガイドヘルパーのように

指談でお話することで 力になれると

嬉しいです。


  


Posted by まきの じゅんこ at 22:30Comments(0)深い想い

2017年11月10日

わかっているね!


台風の日に 伊丹市まで指談の講習会に来てくださった

Tさんのご自宅に伺って

自閉症の傾向のある中学生のお嬢さんと

指談やいろいろな方法も使って

お話をしてきました。


Sさんは ちいさな動きの頷きや

手の仕草や 手話のように形を決めて

ご家族とコミュニケーションが取れていました。


指談もさせていただいて おしゃべりをすると

Sさんが とてもよくなんでもわかること、

伝えることが少しばかりユニークな方法だったり

ちいさな動きでしてくれていることが見えて来ました。

やりたいことは ほかの人が笑顔になることをしたい。

指談でそう言って 笑顔になりました。


お父さんもお仕事を調整されて 見守ってくださり

これから わかっているお子さんとして声をかけると

おっしゃいました。


Sさんが指談でなくても 表出の方法をいくつもできることが

よくわかった、楽しいおしゃべりでした。


お父さんが腰痛があるとおっしゃるので

プチ氣圧療法もさせていただきました。


私にできることが どなたかの笑顔に繋がっていることが

嬉しいですね。  


Posted by まきの じゅんこ at 22:02Comments(0)白雪姫プロジェクト氣付き深い想い

2017年10月23日

端座位 50分(2)

恭平さんの病室には日々のスケジュールが貼ってあり

分刻みで次々とおかあさんがこなして行きます。


今は病院でリハビリすることが生きがいになっているそうです。


瞬きや笑い声は恭平さんが周囲の状況がわかっていて

ぴったりのタイミングでできるようになりました。


最近、よく泣くんやけど なんでかなぁ?とおかあさん。


恭平さんは泣いているんじゃなくて声を出す練習していると

指談で教えてくれます。

だから消灯後はやりません、と。


おかあさんは引き出しのノートで確認されて

「それはわかる、看護師さんがよく眠っていると書いてくれとる」と。


出したいときに声が出せるようになってきたのですね。


そういうやり取りをしながらもリハビリメニューはどんどん進みます。


端座位は午前に50分、その後機械で足漕ぎ5分、

足先の刺激もたっぷりされてそこから端座位のままで

お父さんが恭平さんの上体を左右にゆらゆらと動かします。


この方法も脳幹にとても刺激が行くんだそうです。

私も白雪姫プロジェクトでそのことを知りました。


足漕ぎの機械になる前はおかあさんが手動でしていて

恭平さんはおかあさんが疲れてしまうことを心配されていました。


思いやりの深いお人柄が指談にも表れます。


一旦ベッドに横たわると 優しい声があ~~、と出て

氣持ちがいいんだと教えてくれます。


病院で受けられるリハビリもありがたいのですが

ご家族ができるリハビリは時間をたっぷり使えるし

触れあいがきっと治す力を強くすると感じます。


50分も座れるようになった恭平さん。

先月とはちょっと違う感じです、決意のようなものが伝わりました。



  


2017年10月22日

端座位 50分 (1)

photo by Tetsuro Matsubara
2015年から 隔月だったり 数か月ぶりだったり

何度も病室にお伺いしている 男性がいます。

心停止から脳に障害を受けて四年目の方です。



初めて会った時、指談でお話をさせていただいて

諦めなければ回復の可能性があること、

白雪姫プロジェクトのこと、宮ぷーが独り暮らしを始めたこと、

回復のためのリハビリの方法のいくつかをお話して、

それと瞬きの練習の自主リハビリを恭平さんにお願いしたのでした。


その次に会った時には瞬きが上手にできて

瞬きでハイ、イイエという思いを伝えられるようになっていました。


今は笑うことも泣き顔もできるんです。


今回、かっこちゃんが 病室にいっしょに行ってくれて

ご本人とおかあさん、おとうさんの頑張りの様子は

きっと誰かを元氣にしますから 発信しませんか?

と尋ねました。


『僕のいのちが繋がっていることで誰かの役に立つなら

本当に嬉しいです。生きている意味を見つけられます』と

指談で伝えながら泣き顔になりました。


『そのためにどうしたらいいですか?』と聞きかれました。

かっこちゃんが 発信することです、と答えて

『いつか自分で発信できるようになりたい』と教えてくれました。(つづく)

  


Posted by まきの じゅんこ at 01:28Comments(0)白雪姫プロジェクト深い想い